服装や建物、物語の背景からも見ても分かるように、現代よりも昔を生きている「鬼滅の刃」のキャラクターたち。
それを象徴するかのように難しい名前の数々…
20数年生きてきた私でも初めて出会うような漢字もあり、初めは「なんて読むの?」なんて思われた方も多いのでは?
また普段何気なく耳にする言葉でも、意外と本来の意味を知らなかったり…なんだかちょっともったいない気もしますね。
そこで今回は名前に込められた意味に焦点を当てて独自に調査して行きたいと思います。より彼らの魅力に近づけるかもしれません。
鬼滅の刃キャラクター/主要メンバーの名前
ネット上では「かまぼこ隊」と呼ばれる主要メンバーたち。
これも由来は…名前を覚えられない嘴平伊之助が、竈門炭治郎のことを「かまぼここんぱちろう!」と呼んだことにちなみます。
竈門 炭治郎(かまど たんじろう)
竈という漢字はなかなか普段では目にしない漢字ですよね…初めは読めませんでした。
ぱっと見た漢字だと“かまど”という響きや“炭”という文字から“火”を連想させられます。
では竈門とはどういう意味なのでしょうか?調べてきました。
【竈(かま-ど)】
- 土、石、煉瓦などでつくった煮炊きする為の設備。上に釜や鍋をかけ下で火をたく。
- 独立して生活する一家。所帯
- 生活に欠かせない、寄り辺となるもの。家財道具。
炭のように炎で身を焦がしながらも、どっしりと家族を支えられるような…そんな子になって欲しいと願って込めた名前だったのでしょうか…もうすでに泣けてきています。
竈門 禰豆子(かまど ねずこ)
この子の名前がなかなか覚えられなくて苦労した印象があります。
名前で“ね”からはじまることってなかなかないので…私はネネちゃんしか思い浮かばず…すみません。脱線しました。
彼女の名前の“禰”の字を調べてみると…
【禰(ね、でい、ない、かたしろ、みたま)】
-
父のおたまや(霊を祭る家屋)
-
成り立ち:神にいけにえを捧げる台の象徴と輝く花の象徴
美しい高嶺の花、神のいけにえ…鬼化…察して。もう何も言わないで!!
また彼らの苗字がつく“竈門神社”が福岡県太宰府市にあることも分かりました。
気になった方はぜひ行ってみてはいかがでしょうか?目を閉じれば彼らの気配を感じることができるかもしれません。
我妻 善逸(あがつま ぜんいつ)
我妻と書いてあがつま、と読ませるのですね…あがつま→わがつまと読まれるようになったようです。
善逸というからには、善い行いをたくさんしてほしいなんて願いが込められていそうですね。
彼は比較的現代でもよく目にする漢字を使っているので、一番馴染みなさそうな漢字を調べてみることにしました。
【逸(いつ、いち、はやる、それる】
-
にげ走る、とりにがす
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世間から隠れる、世間に知られない、失われた
これだけ見ると逃げ回って、人から隠れて…とマイナスなイメージに取られそうですが、
私が名付け親なら「だれに褒められるでもない、その人を思いやって行動することが当たり前にできる」
そんな子になって欲しいと素敵な願いを込めたいですね。
嘴平 伊之助(はしびら いのすけ)
伊之助も割と一発変換で出てきた名前でした。
が、苗字が…な、なんて??角という字もあり頭に浮かぶのは彼の被り物のアレ…嘴という漢字にはどんな意味があるのでしょうか?
【嘴(し、くちばし、はし)】
-
くちばし。鳥などの細く突き出た口。
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鳥のクチバシのように、細く突出した・尖った部分。
…イノシシ関係なかった!!ちょっとガッカリなような…しかし鳥のくちばしとは可愛いですね。
彼の代名詞のギャップですね!また伊之助の“伊”には天下を治める人という意味もあり、誰からも慕われる人になって欲しいという願いを込めて名前に入れることが多いとか。
不死川 玄弥(しなずがわ げんや)
不死の川と書いてしなずがわは当て字ですね…不死=死なない=しなず…確かにそう読めなくもないですがすごい名前です。
インパクトが強い。
さて。彼から調べる漢字は“弥”あまり馴染みがあるとは言えませんが、優弥くんなど名前として使われることが多いと認識しています。
【弥(び、み、いよいよ、や、やす、よし、わたる、ひさし、いよ、いや、】
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長い・久しい、ひろがって滞りない。
-
いよいよ、さらに、ますます
読み方が多い!!!
一つの漢字でここまで読めるとは…由来からすると、どんどん成長していく、これからに期待を持てるようなそんな漢字のようです。
玄の字も相まって豊かに成長し、優れた人間になってほしいという思いが連想できます。とても大事に思われていたのでしょうね。
栗花落 カナヲ(つゆり かなを)
くりばならく????これを一発で読めた方は果たして何人いらっしゃったのでしょうか??読み方を知った今でもまだ疑っています。きっと当て字に違いない!!!!(笑)
【栗花落(ついり、つゆり)】
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栗の鼻が墜ちる季節が梅雨入りの季節である為、“つゆいり”から“つゆり”のように転訛して“栗花落”の字が充てられた。
-
難読名字として知られる日本の名字
難読名字!!!というかちゃんと意味があった漢字だったのですね…ただの当て字と言ってすみませんでした…
これもまた彼女を表しているような名字ですね。
梅雨のイメージから暗い…けれど儚く美しい、そんな情景が目に浮かぶような漢字です。漢字ってとっても奥が深い…
鬼滅の刃キャラクター/柱の名前
ひとくせもふたくせもある”柱”の面々。
まさに名は体を表す・・・ということで、一筋縄ではいきませんでした!
冨岡 義勇(とみおか ぎゆう)
義勇という漢字は武士にいそうな名前ですね。無骨で勇敢で体格の良さそうな…そんなイメージが浮かんできます。
しかし冨岡さんのイメージとしては飄々としていながらも、しっかりと周りを見極めて自分の意見を持っている…不器用な優しい人ですよね。
【義勇(ぎゆう)】
-
正義と勇気。また正義のために発する勇気。
また“義勇兵”や“義勇軍”などの言葉もあり、要約すると強制されたわけではなく、自発的に軍に参加する人たちのことをそう呼んだとか…みなさんも鬼滅に出てくる“冨岡義勇”という男からも自主的な正義が、言葉にせずとも感じ取ることができるのではないでしょうか?また義勇さんのファンが増えそうですね♪
胡蝶 しのぶ(こちょう しのぶ)
作中でも蝶のように舞って出てくるシーンがあったり、蝶柄の服を着ていたりと何かと名字に由縁のあるキャラですよね。しかしここはあえて”しのぶ”の意味を調べさせていただきました。
【しのぶ(偲ぶ、忍)】
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我慢する
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人目につかないように身を隠す、人目を避ける
-
過去や遠くの人・所を恋い慕う。
涙腺決壊待ったなし!!名を体にして表しているとはまさにこのこと。しのぶれど…と百人一首にも出てきますよね。
本当の気持ちを隠してはいるけれど、他人に恋でもしているの?と聞かれるほど顔に出てしまっているという……自分の思いと姉の願い…素直に生きることは難しいですね…
煉獄 杏寿郎(れんごく きょうじゅろう)
煉獄、と聞くだけで、灼熱の熱さを感じられます。まあ彼自身も熱い男なのですが…しかし、名前に“杏”がついたことで、少し可愛らしさも覗いているような気がしますね。
【煉獄(れんごく)】
-
カトリック教の教義においては、この世界で臨終してから天国に行く間に多くの人が通る…と教えられる浄化の期間。煉獄とは“清めの火””浄化の炎”というイメージを持たれている。
-
小罪におよんだ死者の霊魂が。天国に行く前に罪の浄化を受けるとされる場所
やはり“火”のイメージは間違っていなかったようですね。
罪を浄化させる炎、そして“寿”という漢字からも分かるように生命に大きく関わる名前を持っているのですね。彼の命の輝き…最後までしっかりと見守りたいです。
宇髄 天元(うずい てんげん)
読めなくはないですが、なかなかに難しい名前ですよね。
“天”の漢字が使われているので天使や天国、神様など神々しいイメージが湧いてきます。現に彼は煌びやかなので、人目を引きますよね。
【天元(てんげん)】
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万物生育のみなもと、天の元気
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天子、君主
-
平安中期の年号
そうですね。歴史の中でも天元という年号が出てきますね。
この人がそばにいるだけで元気が湧いてくるような…そんな意味が込められていたようです。
ちょっと手の届かない遠い存在…カリスマ性を感じるような彼にピッタリの名前ですね♪
時透 無一郎(ときとう むいちろう)
ぱっと見た感想ではやはり消えてしまいそうなくらい儚いような、ちょっぴり寂しくなってしまうような名前に見えますね。
儚いものは美しいのですが…
【透(す、とお、すき、すく、とおる、ゆき)】
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すきまを通り抜ける、すきとおる。
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光がぬけて向こうが見える。
純粋で、透明感にあふれ、頭脳明晰、頭の回転を早い才能あふれる人に育つようにと願いを込めてお子さんに名付ける親御さんも多いようです。
私と同じように寂しいような感覚を持たれた方も多いと思いますが、一方で純粋な、と聞くと確かに無邪気でキラキラと虹が輝くようなそんな想像もできますね。
調べていくと奥が深いです…!!
甘露寺 蜜璃(かんろじ みつり)
甘い蜜のような、かわいいを全面に押し出しているようなそんな名前ですよね。
彼女の名前にある“璃”はよく女の子の名前に付けられていることが多い気がします。
”り”がつく女の子の名前って可愛いですよね♪
【璃(り、あき)】
-
瑠璃(るり)という宝石の名前
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玻璃(はり)という水晶の名前
“璃”に特定の意味はなく、他の漢字とくっついて“宝石のような玉”を意味するようです。そうなんだ…
ちなみに、瑠璃とは“ラピスラズリ”という金や銀よりも貴重な宝石に当たるそうです。代表的な色は夜空のような濃い青色。
宝石の一部が名前にあるようでちょっとお姫様気分を味わえちゃいそうですね♪
伊黒 小芭内(いぐろ おばない)
なんだか名前っぽくない名前をしているなあという印象があった彼。
そしてすぐには読めない漢字の一人ですね…なにか牡丹の仲間のようなお花の名前なのかな?
どちらかというと女の子の名前に聞こえそうな響きです。
【芭(ば、は)】
-
はな、平に開くはな
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芭蕉
芭蕉の花言葉は“燃える思い”…
あれあれ?なんだか思い当たるフシがあるようなあるような…????
この花言葉に注目しながら、マンガを読んでいただけると、また違った見方ができるかもしれません。
一度読んだ方はもう一度読み返してみてください。きっと微笑んでしまうでしょう。
不死川 実弥(しなずがわ さねみ)
玄弥くんのお兄ちゃんですね。さねみ、と音だけで聞くとなんだか女の子のような名前にも聞こえます。
【実(じつ、まこと、み、これ、さね、ざね、ちか、みつる、みる、よし)】
-
満ちる、栄える。
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果物、穀物、種、中身
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富、宝
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まこと、真なるもの
-
親切な心
“さね”の読みは果物の中心である“核(さね)”から生まれたもので、国を司る中心人物にふさわしい字と考えられていたようです。
満ちる状態、すなわち芯がしっかりと通っていて優しい心を持つ…そんな意味を込めてつけられた名前なのかもしれません。
悲鳴嶼 行冥(ひめじま ぎょうめい)
キャラも名前もインパクト爆発していたのはこの方でしょう。
悲鳴が名前に付くなんてびっくりです。
名前からも仏教とか住職とか信仰するものに携わるようなそんな雰囲気が漂っていますね。
【冥(めい、みょう、くらい)】
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暗くて見えない
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道理に暗い
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奥深い、心の奥底
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人知を超えた神仏の働き
…彼がなぜ柱最強かと言われるのか、名前だけでも半分わかってしまったような…
目に見えなくても進んでいく。例えそれが叫び、泣き出したいような険しい道だとしても。
そんな風に読み取ることができませんか?文字って不思議ですね…
鬼滅の刃キャラクター/十二鬼月(じゅうにきづき)の名前
最期は憎たらしいほど強い!敵キャラ・十二鬼月のエリート「上弦の鬼」たちとボスについてです。
どこかで炭治郎が「鬼はむなしい・かなしい生き物」とかなんとか言ってましたが・・・たしかに・・・って感じます。
妓夫太郎(ぎゅうたろう)・堕姫(だき)
上弦の陸であるお二人。
お兄ちゃんは遊郭にいそうな、煌びやか、華やかはイメージが湧いてくる名前ですね。
妹ちゃんは…お姫様なのだろうけど…“堕”という漢字の印象が強く残ります。
【妓夫(ぎゅう)】
- 客引きや護衛をしながら夜鷹などについて歩く男。
- 妓夫太郎(牛太郎と書くことも)=遊郭の前で働く客引き
【堕(だ、おちる)】
-
こわれておちくずれる
-
おちる、おちいる
お兄ちゃんの名前はつまり夜のお店の客引きをする男性を指すらしい…
まさか名前そのままが検索にヒットするとは思っていませんでした…
まあ本作を読めばなんとなくこの名前がついたことに納得がいくような感じがしますね。
妹ちゃんの堕ちる、壊れるというのは鬼になったことを示しているのかしら……調べてなるほどと思いました。
玉壺(ぎょっこ)
玉に壺と、高価な名前がついていますね。名前の通り壺の中に入っているという分かりやすいキャラです。
名前を覚えるのも一発でOKですね!
【玉壺(ぎょっこ)】
-
玉で作った美しいつぼ
芸術を愛する彼らしい名前のようです。ただ、私は彼の芸術を理解することはできないですが…
美しいものは残酷なもの、というのが彼の中の芸術なのでしょうか…
半天狗(はんてんぐ)
そもそも「天狗」というと赤くて、鼻の長い、下駄を履いているあの人物を思い浮かべると思います。
でもこちらは“半”天狗…半分は天狗で、もう半分は…?そして天狗とは一体どういう意味なのでしょうか?
【天狗(てんぐ)】
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奥深い山に住むとされる妖怪。もともと人間で山伏だったが増上慢の心をおこし魔物に堕落した姿。そのうち大天狗は赤顔で高い鼻をもち、背には翼がある。烏天狗はカラスの頭に人間の手足で翼をもつ。手には羽団扇、太刀や金剛杖を持つ。神通力で自由に飛行する。
-
自慢すること、自惚れること
-
落下の際に大音響を伴う、非常に大きな流星
鼻が高い=自慢、力に自惚れる・・・高慢チキ、なんて意味もありましたね。
また中国では悪い兆しを知らせる流れ星を意味していたそうです。
天狗は天から地上へと災いをもってくる凶星として嫌われ、恐怖されていたと。
でも彼は“半”天狗。天狗というには彼は臆病すぎたのかもしれません。
猗窩座(あかざ)
読・め・ま・せ・ん!!最後の座が唯一読めたぐらいです(涙)
変換も一発で出てこないので、名前を調べるのに一番苦戦したキャラです…しかし意地でも調べてみせますが。
【猗(ぎ、き、い、あ、ああ、うつくしい)】
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ああ、感嘆の声
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うつくしい、たおやか、なよやか、すなお
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去勢した犬
また、「窩」は「あな や あなぐら」といった意味もあり、
まとめると弱った犬が穴の中から出られなくなった…つまりは暗い所から動けなくなっているような、そんな名前にも見えてきませんか?
果たして彼と何かしらの因果関係はあるのでしょうか…
童磨(どうま)
“童”という字を使っていることから、幼子のような常にニコニコ楽しんでいるようなそんなイメージをすることができそうですね。
【磨(ま、みが-く、おさむ、きよ、な】
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みがく、研ぐ
-
こする、すり減る
靴を磨く、などにもよういられるようにピカピカにする、きれいにするなどの意味が込められていますね。
でもそれって結構根気がいることだと思いませんか?小さな石をひたすらこすってピカピカに…
私ならすぐに諦めてしまいそう…そんなことから一つの物事に励むことにも表されるようです。
“切磋琢磨”や“練磨”など心身共に磨きをかけて向上させる様子が浮かびますよね。
黒死牟(こくしぼう)
最強、上弦の壱。闇を一色単に彷彿させるような名前ですね。
あまり縁起の良いものではないと思いますが“牟”という字もなかなか日常で使うことはないですね…
この漢字は何を意味しているのでしょうか?
【牟(む、ぼう、なく、むさぼ-る)】
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ウシの鳴き声、大きい、増やす
-
取る、奪う、むさぼる
何かを奪いたい。むさぼりたい。自分の手に入れたい…強い欲望が感じ取れますね。
…果たしてこれは世間に対しての恐怖の象徴か、はたまた別の意味があるのか…
鬼舞辻 無惨(きぶつじ むざん)
ラストにふさわしく、ラスボス(たぶん・・・)の名前。
・・・確かに読めます、・・・が理解が追いつきません(汗)
鬼が舞う???無惨???
画数も多めなのでとても難しい漢字のように捉えてしまいます。
そんな彼の名前にスポットを当ててみました。
【無惨(むざん)】
-
戒律を破りながら心に恥じないこと、さま
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仕打ちが残酷なこと、乱暴なこと
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気の毒なこと、いたましいこと
…確かに人間にも鬼にも非道で、自己中心的な言動が多く見られますよね。
けれど最後の“気の毒なこと”というところはわたしも共感できますね。
・・・気の毒です。
もっと他に生きる道はあったろうに、破滅の道へしか進めず後戻りもできず…痛ましいです。
まとめ
調査して見えてきたことは、やはり名前とキャラは合致していますね。
ここまでキャラに合った名前をつけられるということは偶然とは思えません。
作者さんは相当に一人ひとりの思い入れが強いのだと思います。
愛情を持ってキャラを作られているのですね!
今回調べたのはごく一部です。
みなさんも気になった言葉、漢字等ありましたらぜひ調べてみてはいかがでしょうか?
もしかすると意味や由来の解読によって隠された伏線が…?!
楽しみが倍増しそうです。