日本では古くから鬼は恐ろしい存在とされてきました。
豆まきで鬼を追い出し、昔話の「桃太郎」では、鬼は退治され平和が訪れています。
しかし、アニメ「鬼滅の刃」では・・・
「鬼=恐ろしい存在」というような式では表せない、辛く、悲しく、そして時に救われるような……そんな人と鬼の姿が描かれてます。
アニメ「鬼滅の刃」について知らない方の中には、
- 「タイトルやだいたいの内容は知っているけど、そんなに感動したりする内容なの?」
- 「鬼が出てくるってなんだか怖い……鬼の姿を見て泣けるシーンなんてあるのかな?」
と思っている方もいるでしょう。
また、すでにアニメ「鬼滅の刃」を見てその良さを知って いる方には、
- 「あのエピソードには心打たれた」
- 「もう1度そのシーンのことを思い出したい!」
と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はそう感じている方のために、アニメ「鬼滅の刃」の泣けるシーンを3つご紹介します。
鬼滅の刃アニメの泣けるシーンその1:手鬼の過去
すでにアニメ「鬼滅の刃」を見ている方は、
「第5話で鬼という存在の悲しさをすごく実感した……」
という人が多いのではないでしょうか。
かくいう私も、その1人。
アニメから「鬼滅の刃」に入った私は、この回で
「手鬼がまさかこんな悲しみを背負っている存在だったなんて…炭治郎ってなんて良い子なんだ」
となりました。(そして再度視聴しました。)
手鬼の悲劇
主人公の炭治郎が、鬼殺隊に入るための試験「最終選抜」で出会ったある鬼。
その鬼の名は、「手鬼」。複数の長い腕をはやしている、大型の鬼です。
ネットでは「年号鬼」なんて呼ばれてますね。
炭治郎は、兄弟子達が手鬼によってむごたらしく殺されたことを知りましたが――煮えたるような怒りを抑え、戦いに勝利しました。
炭治郎に首を切られ、手鬼は少しずつ消滅していきます。
そんな手鬼の脳裏によぎったのは、まだ人としての心が残っていたころの気持ちでした。
「怖いよ…夜に一人ぼっちだ…兄ちゃん…どこだい?俺の手を握ってくれよぉ…」
「どうして俺…兄ちゃんを噛み殺しちゃったんだ…」
人であった時は、怖がりで兄を慕う幼子だった手鬼……。
手鬼の最期を看取る、炭治郎の深いやさしさ
悲しみのにおいを感じとった炭治郎は、そっと、手鬼の手を握ります。
命を終えた手鬼は、この世ではないどこかの世界で、兄に駆け寄ります。
兄と手を繋いだ手鬼は、そのまま夜の道を歩いていくのです。
短いシーンですが、心にぐっとこみ上げてくるものがあります。
もちろん、手鬼のしたことは酷いことですが、
私も炭治郎と同じように「もし人としてまた生まれたならば……」と感じざるを得ませんでした。
鬼滅の刃アニメの泣けるシーンその2:炭治郎の走馬灯
このシーンが登場したのは第19話です。
エピソードはもちろんのこと、映像やエンディングもすばらしい回でした。
絶体絶命の炭治郎に突如、父の記憶が・・・
鬼の中でもエリート集団「十二鬼月」……その中の1人、累と対峙した炭治郎は、かなり追い詰められていました。
「家族を縛り、従順でなければ痛めつける」……そんな累に、家族を大切にしてきた炭治郎は負けられません。
しかし力の差は圧倒的で、刀は折れ、妹の禰豆子を人質にとられてまい…
水の呼吸最強の技「生生流転」も、累の血鬼術「刻糸牢」には勝ち目がありません。
死を覚悟した炭治郎……その脳裏に、突如として家族との思い出(走馬灯)がよぎります。
体の弱かった父親が、炭治郎に受け継いだもの……それは、「ヒノカミ神楽の呼吸」と呼ばれる、別の呼吸法でした。
「ヒノカミ神楽!円舞!」
水の呼吸からヒノカミ神楽の呼吸へと切り替え、妹(家族)を取り戻すため、炭治郎は再び挑みます。
ドラマチックな演出と圧倒されるようなアクション
兄の窮地に禰豆子も応え、この土壇場で使った技・・・それは己の血を燃やす血鬼術「爆血(ばっけつ)」。
血に染まった累の糸は燃やされ、それどころか禰豆子の血にまみれた炭治郎の刀は加速したのです。
「俺と禰豆子の絆は!!誰にも!!斬り裂けない!!」
累に技を決めることに成功した炭治郎は、家族を大切にする者として打ち克ち、窮地を逃れました。
(最終的に決着をつけるのは、次の話で出てくるあの方でしたが…)
このシーンは「すごい悲しい/感動した!」というよりも、今までの積み重ねや「2人が助かった……!」という安堵感が少しずつ広がっていって、涙が出てくるシーンでした。
エンディングテーマの「竈門炭治郎のうた」の歌詞も、そんなジーンとくる気持ちを一層強くさせます。
鬼滅の刃アニメの泣けるシーンその3:累の苦しみと涙
そして、第21話で明かされたのが、
19話で炭治郎を追い詰めた鬼、累がどのようにして鬼となったのかでした。
体の弱かった累は、鬼になったことでそれを克服したのですが……両親は喜んでくれなかったんですね。
人を喰わねば生きられない……そうなってしまった息子(累)を、両親は殺そうとしました。
けれど、普通の人が鬼にかなうはずはなく……失望と怒りに震えた累は、両親を殺害していまいます。
自分の過ちに気づく累
「家族の絆は偽物だった」のだと感じた累ですが、しかし、それは累の誤解でした。
「丈夫な体に産んであげられなくて…ごめん…」
母の最期の言葉により、累は、人を殺した罪を共に背負って死のうとしてくれていたのだ・・・と気づいたのです。
父と母が恋しい毎日、偽りの家族を作っても虚しさが止まない……苦しみに耐えられなかった累は、無惨に言われた通り「自分を受け入れなかった親が悪い」と考えるようになったのです。
この一連のシーンは、本当に悲しいです。
地獄へと行く累に、亡くなった両親が寄り添い・・・笑顔を向けていた場面は、嬉しくもあり、「何故……?」という気持ちもありましたね。
累の糸はなぜ他の蜘蛛鬼と違っていたのか?
累の過去を知ると、どうして累の出す糸は、他の蜘蛛に似た鬼とは違うのか――
強靭で鋭いのかがわかるような気がします。
もう切れぬよう、自分から誰も離れないようにしたい、そんな強い絆が欲しい――
そう思っていたからこそ、累の「糸」は、何物をも強靭で、触れるものすべてを傷つけ、逃れることすらも奪う程の鋭さを持っていたのではないでしょうか。
まとめ
アニメ「鬼滅の刃」の泣けるシーンをまとめると……
- 第5話の手鬼の過去
- 第19話の炭治郎の走馬灯、そして家族の絆
- 第21話の累の悲しみと涙
この3つ以外にも、
「このシーンで心震える……!」
「どうしてもこのシーンが忘れられない……」
と感じる場面が、「鬼滅の刃」にはあふれています。
まだ「鬼滅の刃」を見ていない人もすでに見ている人も、そんなシーンを見つけたり、思い出したりしてみてくださいね!