『鬼滅の刃』の物語において、鬼と闘うのは鬼殺隊の人間だけではありません。
ご存知、「今日も美しい珠世様」と彼女を慕う愈史郎さんも鬼を嫌い、時には闘います。
今回は、自身も鬼の身でありながら、鬼舞辻無惨を忌み嫌う青年・愈史郎さんについて、書こうと思います。
- 愈史郎のプロフィール
- アニメでの愈史郎(声優)
- 愈史郎の性格
- 愈史郎の能力
- 愈史郎が活躍する場面
などについて、まとめてみました。
コミック19巻までの内容なので、本誌の最新の内容は含んでいません。
それではどうぞ!
愈史郎の過去とプロフィール
鬼滅の世界設定では、鬼舞辻無惨のみが鬼を増やせる事になっています。
珠世様も、無惨によって鬼に変えられてしまった一人。
愈史郎の過去
しかし、愈史郎さんは、珠世様が作り出した唯一の鬼です。
人間だった頃の愈史郎さんは、不治の病に侵されていました。
そこに医者として現れたのが珠世様です。
「雷が落ちた」様な一目惚れをしたという愈史郎さん。
珠世様は、余命幾許も無い人や重傷を負っている人には、人外に堕ちる道を提案しますが、強制はしません。
愈史郎さんは自らその提案を受け入れ、鬼化しました。
たとえ人では無くなっても、生きながらえる道を提案してくれた珠世様のことを、心から敬愛しています。
鬼でも人を食べない
鬼なので血を必要としますが、珠世様の手を介しているからか、輸血程度の少量の血で事足ります。
炭治郎が「鬼特有の異臭がしない」と言う程なので、本当に少量の血で済むみたいですね。
その反面、鬼舞辻の作り出した鬼と比較すると、身体の再生能力は劣ります。
愈史郎のプロフィール
そんな愈史郎さん、外見は書生さんの様な格好をしていますね。
細かいプロフィールはこちらです。
年齢は35歳
公式設定によると、生前つまり鬼になる前と合わせて、35年、生きているそうです。
後述する血鬼術を使いこなしていることと、10代後半ぐらいの見た目であることから、鬼になって20年弱ぐらいだと思われます。
髪型:ショートヘアー(山葵色と黒のツートンカラー)
トップが薄い緑色をしています。色名が分からず、近い色味を探したところ、山葵色や山藍摺という色が近い様です。
瞳の色:藤色
他の鬼と同じく、猫の瞳の様に、縦長の瞳をしています。
身長:160cm前後
特に明記されていませんが、禰豆子ちゃんが珠世様と愈史郎さんをよしよしするシーンや、炭治郎や鬼殺隊士と並んだ時の身長差が小さいことから、このぐらいと予想しました。
アニメ版の愈史郎
声優:山下大輝さん(1989年9月7日生まれ、静岡県浜松市出身)
同じジャンプ作品では、
- 『僕のヒーローアカデミア』の緑谷出久役。
- 『弱虫ペダル』の小野田坂道役。
最近では、アニメポケモンシリーズの最新シリーズ『ポケットモンスター』のゴウ役で、活躍しています。
炭治郎役の花江夏樹さんと同じく、高めの少年声が特徴の、人気声優さんです。
さて、中の人についてもご紹介しましたが、アニメ版での愈史郎さんは、少しだけ戦闘シーンが追加されていました。
後述する血鬼術の効果の1つとして、「視認されない」状態になり、相手の不意を突く攻撃をしていました。
アニメ8話で、愈史郎さんの勇姿と山下さんの素敵な声が楽しめますので、見逃した方や「そんなシーンあったっけ?」とお思いの方は是非チェックを!!
愈史郎の性格
とてもはっきりしています…愈史郎の世界の中心は、珠世様!!
毎日5~7ページの「日記」を書いているくらいですから…
珠世様!命!
珠世様は美しい…明日はもっと美しいぞ
愈史郎ファーストプライオリティー・イズ、珠世様!
珠世様を最優先に行動します。
珠世様と愈史郎さん自身に直接関わる事以外には興味は無いらしく、炭治郎が鬼を人に戻す方法を訊ねている時も、愈史郎さんの頭の中は、
「怒った顔も美しい」
と珠世様の事でいっぱいです。
鬼殺隊への協力や潜入を持ち掛けられた際には、般若のごとき形相で拒否していますが、最終的には愛する珠世様の頼みを聞いています。
同時に、珠世様が鬼舞辻に決死の特攻を仕掛ける際には、「愛する者の頼みは断われない」と、珠世様の側には居ません。眼を人間の様に偽装して、隊士達に紛れ込んで、負傷者の手当を行っています。
それもこれも全て、珠世様の為です。
余談ですが、『珠世観察日記』なるものを分単位で付けています。
はい、そこー。ストーカーとか言わない!
参考記事…鬼滅の刃/無惨と珠世の関係…美しすぎる医者の煮えたぎる憎悪とは
神経質
基本的には冷静な兪史郎さんですが、珠世様を敬愛し過ぎる余り、珠世様が関係すると、神経質になる性格もしています。
例えば、話の流れとは言え、怪我人の治療をする珠世様を見た炭治郎が、食人衝動を心配したり、珠世様に年齢を訊いたりした際には、
「女性に歳を聞くな、無礼者!」
と激怒し、問答無用で肘鉄を喰らわせています。
しかし、その度に珠世様に咎められ、綺麗な顔で「はい!」とか「殴っていません」と返すまでがワンセットです。
現実的
貴女と二人で過ごす時を
邪魔する者が俺は嫌いだ 大嫌いだ
許せない!!
浅草で初めて炭治郎達と遭遇した際には、鬼殺隊でありながら、鬼を「この人」と人扱いする炭治郎に助け舟を出そうとする珠世様の側で、鬼殺隊である炭治郎の存在を訝しむ様に睨んでいます。
また、珠世様と隠れ住んでいる館に炭治郎達を案内する際には、禰豆子ちゃんのことを「醜女」と呼んで炭治郎の怒りを買っています。
共闘後には「お前の妹は美人だよ」と言っているので、本心からの悪口では無いもよう。
さらに、館が襲撃された際には、炭治郎達を「囮にしましょう」と珠世様に提案し、どん引きされて、即「冗談です」と撤回しています。
いずれも、鬼殺隊に関わるのを避ける為の行動ですね。
そもそも、珠世様は「逃れ者」と呼ばれており、鬼舞辻の配下に見つかれば命の保証は無い身です。
後述する愈史郎さんの血鬼術で身を隠してはいるものの、隠しているだけで存在を抹消しているわけでは無いので、隠れるにも限界があります。
人の頃からの性格なのか、鬼になってから身に付けた性質なのか、愈史郎さんは現実的な思考をすることで、珠世様との時間を守ろうとしているのです。
愈史郎の能力
愈史郎さんは、「視覚に特化した血鬼術」を使います。
目の紋様が記された札“呪符”を用いることで術の対象を拡げられる、非常に汎用性が高い能力です。
“目隠し”の術
呪符を貼った場所、人物、動物などを、視認されなくする術。それどころか、小規模ならば、匂いや気配までも隠せる凄い術。
珠世様と過ごしていた屋敷の場所を隠すのに使われていました。
また、炭治郎に鬼の血を回収させる為に、猫の茶々丸に札を貼り、鳴き声を合図に姿を現したり消したり出来る様にしていました。
前述したアニメでの追加シーンも、この“目隠し”の応用と思われます。
視覚の共有
矢琶羽と朱紗丸に館を襲撃された際、毬の攻撃に苦戦する炭治郎に、呪符を貼り視覚を貸し与えます。これにより、それまで見えなかった矢印が見える様になり、炭治郎は鬼を撃破することが出来ました。
無限城編では、この呪符を鎹鴉や産屋敷兄妹に貼る事で、戦場を立体的に把握し、速やかな情報伝達に貢献しています。
鬼ゆえの身体能力
愈史郎さんも鬼なので、それなりの身体能力は持ち合わせています。
無限城編では、落下する善逸を空中で受け止め、抱えたまま安全な場所への跳躍、着地を軽々と熟しています。
鬼舞辻の鬼には劣る様ですが、これは単純に、人を喰っていないからでしょうね。
愈史郎の活躍する場面
愈史郎の活躍も本編では序盤、そして終盤(最終決戦)とパッキリと別れています。
そして…
浅草編…コミック2~3巻、アニメ8~9話
炭治郎達との初対面。
矢琶羽、朱紗丸の2体の鬼に襲撃され、毬に頭を吹き飛ばされます。
鬼殺隊に入隊後すぐであり、場数も踏んでいない為に苦戦する炭治郎に、視覚を貸し、勝利に貢献します。
無限城編…コミック17巻~
本誌勢の方は既にご存知だと思いますが、無限城編では愈史郎さんが大活躍しています。
視覚を操る血鬼術を使いこなし、上弦の鬼を屠ったり、鬼舞辻無惨との戦闘に活路を見出したりと、貢献しています。
血鬼術を使わなくとも、珠世様の作った“血鬼止め”と呼ばれる薬を大量に持ち込み、負傷した隊士の治療を行っています。
更に、無限城のあちこちに呪符を大量にバラ撒いている様です。
この大量の呪符が、後々、大いに役立ってくるのですが、コミック派の方々は今しばらく待ちましょう。
本編以外での活躍
中高一貫キメツ学園(コミック2巻)
白衣を纏っていると思しき珠世様に
先生、胸が苦しいです
と訴えかける学ラン姿の兪史郎さん。その姿は、さながら「おぉ、ロミオ」と恋慕の情を訴えるジュリエットの様です。
珠世先生がその好意に気付いているかは不明です。
鬼滅の刃の前身「過狩り狩り」
また、本編ではありませんが、鬼滅の刃の前身とも言える『過狩り狩り』にも、珠世様と愈史郎さんは登場しています。
明治を舞台にしていますし、炭治郎達が出てくる訳でも無ければ、鬼舞辻が登場する訳でもありません。(※鬼舞辻風の「時川」というキャラがでてきます)
地域を縄張りにして人食い生活している珠世・愈史郎。そこに外国の鬼が現れて、「時川」と戦う・・・という様な内容です。
使う血鬼術や二人の外見、関係などは、鬼滅本編と変わりません。
本編の連載が始まる前にも関わらず、これだけ設定がしっかりとしているキャラクターですから、吾峠先生もお気に入りなのでしょうね。
因みに、『過狩り狩り』は『吾峠呼世晴短編集』に収録されていますので、余裕のある方はこちらもチェックされてみては如何でしょうか?
まとめ
珠世様によって鬼にされ、珠世様の為に生きる愈史郎さん。
- 書生さんの様な格好をした、血を必要としない鬼
- 珠世様命!!
- 神経質で現実的なのは珠世様の為。
- 視覚を操る汎用性の高い血鬼術を使う。
- 無限城編で見せ場が用意されている。
- ワニ先生のお気に入りっぽい。
余談なのですが、無一郎くんの「無」よろしく、「愈」で表せる副詞「いよいよ」の意味を調べてみたところ、
- より一層程度が高まるさま。
- 時を経て、ついに重大な局面に至るさま。
- 事が進んで、確かさが決定的になるさま。
と云う意味がありました。
これは、推測でしか無いのですが…
はじめは「治癒」と似ている字を持つ兪史郎さんは、負傷者の救護の為に鬼殺隊士に潜入させられたキャラクターだと思っていました。
しかし、物語の佳境とも言える無限城編を「重大な局面」とするならば、兪史郎さんはここで活躍させる為に作られたキャラクターなのかも知れないとも思いました。
「重大な局面」で活躍し、「歴史」を変える者・・・なんてね(!?)
筆者の妄言はさておき、まだまだこれから活躍が期待される愈史郎さん。
本誌やコミックは勿論ですが、アニメでも山下さんの素敵ボイスで動く愈史郎さんを見てみたいですね。