鬼滅の刃では、鬼を殺すための手段として”全集中の呼吸”という技術を使います。
呼吸を変え、空気を取り込むことで一時的に何倍もの身体能力を発揮する技術です。
分かりやすく例えると、『ジョジョの奇妙な冒険』の波紋みたいなもの。(※作者さんはジョジョ大好きだそうで…)
そして、この呼吸にはいくつかの型があります。
水・雷・炎など王道のものもあれば、蟲・音・恋など種類は様々です。
この記事では、この”呼吸”についてまとめていきます。
鬼滅の刃における呼吸とは?
先程も簡単に説明しましたが、呼吸とは鬼殺隊が鬼に対抗するために考えた技で、一度に大量の酸素を体内に取り込み一時的に身体能力を向上させ、その状態で繰り出す剣術。
それを、”全集中の呼吸”と言います。
通常この呼吸法は、育手と呼ばれる元鬼殺隊の剣士に教わることで身につけます。
また、呼吸法の種類は、剣士によって最も自分の力が発揮できる形に変化させることがあるため、種類は様々になっています。
そして、この呼吸には基本となる五つの型が存在します。
その呼吸は、水・雷・炎・岩・風であり、他の呼吸はこの五つから派生したもの。
ここからは、この五つの呼吸を中心に作中で登場した呼吸を、既刊コミックスから紹介していきます(ネタバレ回避のため)。
水の呼吸
- 使い手:竈門炭治郎、冨岡義勇、鱗滝左近次
水がどんな形にもなれるという特性を活かし、如何なる敵にも対応できる万能型の呼吸。
現段階では、鬼を苦しめず安らかに死なせる技があるのはこの水の呼吸のみ。時には荒々しく、時には優しい水面のように変幻自在に技を繰り出せます。
今でこそ多くの流派が存在しますが、水はその基礎となった五つの呼吸の内の一つ。
その中でも炎の呼吸に並んで歴史が深く、あらゆる時代につねに水と炎は必ず柱が存在したみたい。
呼吸の中でも基礎を重んじているため、この呼吸から派生したスタイルは多いようです。
その派生した呼吸とは、花の呼吸と蛇の呼吸です。
型と読み方
・壱ノ型 水面斬り(みなもぎり)
・弐ノ型 水車(みずぐるま)
・参ノ型 流流舞い(りゅうりゅうまい)
・肆ノ型 打ち潮(うちしお)
・伍ノ型 干天の慈雨(かんてんのじう)
・陸ノ型 ねじれ渦(ねじれうず)
・漆ノ型 雫波紋突き(しずくはもんつき)
・捌ノ型 滝壺(たきつぼ)
・玖ノ型 水流飛沫(すいりゅうしぶき)
・拾ノ型 生生流転(せいせいるてん)
・拾壱ノ型 凪(なぎ)
この型は冨岡義勇が独自に編み出した技。自分の間合いに入った攻撃を、目に見えない速度で切り落とす。どんな攻撃であっても凪いだ水のように何も残らず無に帰る。
蛇の呼吸
- 使い手:伊黒小芭内
水の呼吸から派生した呼吸。いまだ謎が多い呼吸だが、その名の通り蛇のようにうねり相手の隙間を縫うように攻撃している。
型と読み方
・弐ノ型 狭頭の毒牙(きょうずのどくが)
・伍ノ型 蜿蜿長蛇(えんえんちょうだ)
花の呼吸
- 使い手:栗花落カナヲ、胡蝶カナエ
基本となる五つの呼吸の一つ・水の呼吸からの派生で生まれた呼吸。胡蝶しのぶはこの呼吸から蟲の呼吸を生み出した。
蟲の呼吸
- 使い手:胡蝶しのぶ
体格に恵まれない女性であるしのぶが、鬼を倒すために編み出した型。
彼女自身の力では鬼の首を切れないが、藤の花を使用した”毒”により鬼を毒殺する。
本来であれば、日光か日輪刀で首を切られない限り消滅しない鬼に対抗するための彼女の切り札。
この毒を何種類も調合・所持しており、鬼の特性に合わせて鞘の中で毒を調合。
そして、日輪刀を突くことで相手に毒を注入し、消滅させます。
蟲の呼吸は、姉が使っていた花の呼吸をさらに自分に適したスタイルに派生させたもの。
型と読み方
・蝶ノ舞 戯れ(たわむれ)
・蜂牙ノ舞 真靡き(ほうがのまい まなびき)
・蜻蛉の舞い 複眼六角(せいれいのまい ふくがんろっかく)
・蜈蚣の舞い 百足蛇腹(ごこうのまい ひゃくそくじゃばら)
雷の呼吸
- 使い手:我妻善逸、獪岳、桑島慈悟郎
水の呼吸と同じく、全ての呼吸の基礎となる五つの呼吸の内の一つ。
この呼吸を使うものの日輪刀は黄色へと変化する。
雷の呼吸により繰り出される技は、まさに雷のごとき速さで強烈な斬撃が特徴。
吉原遊廓編では、善逸の技”壱ノ型 霹靂一閃 神速”の速さに、上弦の陸ですら対応できなかった。
雷の呼吸を使うものが柱になった場合、呼び名は「雷柱(らいばしら)」ではなく、「鳴柱(なりばしら)」と呼ばれることが、代々の習わしだそう。
型と読み方
・壱ノ型 霹靂一閃(へきれきいっせん)
善逸は壱ノ型しか使えないが、この型を極めているため応用した技も使える。「霹靂一閃・神速」など。
・弐ノ型 稲魂(いなだま)
・参ノ型 聚蚊成雷(しゅうぶんせいらい)
・肆ノ型 遠雷(えんらい)
・伍ノ型 熱界雷(ねっかいらい)
・陸ノ型 電轟雷轟(でんごうらいごう)
・漆ノ型 火雷神(ほのいかづち)
この技は善逸が兄弟子である獪岳と肩を並べるようにと自分で考えて編み出したものであり、上弦の陸(獪岳)ですらその速さに全く対応できなかった。
音の呼吸
- 使い手:宇髄天元
雷の呼吸から、宇髄天元が自分に合うスタイルへと派生させたもの。
絶対音感を持ち、聴覚が非常に優れている彼にとってはまさしくピッタリの呼吸法だろう。
雷の呼吸のような速さはないが、音を利用した技が出せる。
型と読み方
・壱ノ型 轟(とどろき)
・肆ノ型 響斬無間(きょうざんむげん)
・伍ノ型 鳴弦奏々(めいげんそうそう)
炎の呼吸
- 使い手:煉獄杏寿郎
水・雷の呼吸同様に、基本となる五つの呼吸の内の一つ。
水の呼吸と同様に炎柱も歴史が深く、どの時代においても必ず炎柱は存在した。
なお、呼び方は炎柱(えんばしら)であって、この呼吸をひばしらと呼んではいけない。
炎の呼吸を代々継承してきた煉獄家には、会得するための書物が残されており、煉獄杏寿郎はその本と父親の教育によってこの呼吸を受け継いだ。
水の呼吸は変幻自在に相手に合わせて動くのに対して、炎の呼吸はどちらかと言えば動かず攻撃力で相手を圧倒する。印象通りの戦闘スタイルと強さを誇る。
型と読み方
・壱ノ型 不知火(しらぬい)
・弐ノ型 昇り炎天(のぼりえんてん)
・伍ノ型 炎虎(えんこ)
・肆ノ型 盛炎のうねり(せいえんのうねり)
・玖ノ型 煉獄(れんごく)
恋の呼吸
- 使い手:甘露寺蜜璃
様々な呼吸がありますが、これが最も不思議で謎な呼吸と言えますね。
鋭い切れ味としなる長い刀身を使用し、剛力と柔軟さを合わせた戦闘スタイルで鬼を撲滅。
その斬撃の威力は凄まじく、攻撃の速さは目に見えないほど。
入隊当初は、炎柱・煉獄杏寿郎のもとで炎の呼吸を学んでいたそうだが、本人の個性が強すぎるため独立し恋の呼吸に変化させた。
技名に猫、あるいは猫にまつわる言葉が多いのは、使用者の甘露寺蜜璃が猫が好きだからという理由です。
型と読み方
・壱の型 初恋のわななき
・弐ノ型 懊悩巡る恋(おうのうめぐるこい)
・参ノ型 恋猫しぐれ(こいねこしぐれ)
・伍ノ型 揺らめく恋情・乱れ爪(ゆらめくれんじょう・みだれづめ)
・陸ノ型 猫足恋風(ねこあしこいかぜ)
岩の呼吸
- 使い手:悲鳴嶼行冥
多くの呼吸の基本となる五つの呼吸の一つ。
高い防御力と攻撃力を両方兼ね備えた呼吸であり、鬼舞辻無惨の血鬼術をも防いでみせた。
現在、岩の呼吸を使う人が悲鳴嶼行冥だけのため定かではないですが、使用する武器は日輪刀ではなく、棘鉄球を鎖でつないだ手斧。
この武器を使って範囲攻撃も凌いだだめ、日輪刀よりも応用がききやすい武器なのかもしれない。
型と読み方
・参ノ型 岩軀の膚(がんくのはだえ)
風の呼吸
- 使い手:不死川実弥
霞の呼吸のもととなる呼吸であり、基本となる五つの呼吸の内の一つ。
この呼吸を使うものの日輪刀は緑色。
既刊コミックスでもいまだ風の呼吸の使い手が戦闘をしていないので、詳細な情報はありません。
霞の呼吸
- 使い手:時透無一郎
風の呼吸から派生した呼吸で、日輪刀の色は白色。
型と読み方
・壱ノ型 垂天遠霞(すいてんとおがすみ)
・弐ノ型 八重霞(やえかすみ)
・参ノ型 霞散の飛沫(かさんのしぶき)
・肆ノ型 移流斬り(いりゅうぎり)
・伍ノ型 霞雲の海(かうんのうみ)
・陸ノ型 月の霞消(つきのかしょう)
獣の呼吸
- 使い手:嘴平伊之助
メインキャラの一人・嘴平伊之助が、我流で身につけた”全集中の呼吸”であり、それをどうやって会得したのかは定かではない。
力比べで勝った隊士から学んだ、あるいは、山で野生に暮らしていた環境から自然に身に着けたという説がある。
風の呼吸に似ているものらしい。
我流ではあるが、ほかの呼吸と同じで酸素を体に取り込み身体能力を強化している。
嘴平伊之助が猪突猛進野郎なこともあり、技は単純な斬撃や突きばかりだが呼吸により攻撃力は強化されているため、その威力は凄まじい。
型と読み方
・壱ノ牙 穿ち抜き(うがちぬき)
・弐ノ牙 切り裂き(きりさき)
・参ノ牙 喰い裂き(くいざき)
・肆ノ牙 切細裂き(きりこまざき)
・伍ノ牙 狂い裂き(くるいざき)
・陸ノ牙 乱杭咬み(らんぐいがみ)
・漆ノ型 空間識覚(くうかんしきかく)
・捌ノ型 爆裂猛進(ばくれつもうしん)
日の呼吸
- 使い手:竈門炭治郎
これまで基本となる呼吸として、水・雷・風・岩・炎を挙げてきたが、その五つの呼吸の原点はこの日の呼吸であり、”始まりの呼吸”とも呼ばれている。
つまり全ての呼吸がもとを辿れば、日の呼吸に行き着くということ。
炎の呼吸を火の呼吸(ひのこきゅう)と呼んではいけないことから、この呼吸がいかに特別だということが分かりますね。
使い手として竈門炭治郎を挙げましたが、厳密に言えば炭治郎が使うのは”ヒノカミ神楽”であって、これが日の呼吸なのかは定かではない。
というのも、ヒノカミ神楽の呼吸法は、炭治郎が父親から教わった代々伝わる舞を行う時にする呼吸法だから。
仮に同じだと仮定すると、日の呼吸による攻撃は他の呼吸よりも鬼の傷の治りが遅いという特徴がある。
もしかしたら、鬼の弱点である日光の力が攻撃に宿るのかもしれない。
炭治郎は日の呼吸と水の呼吸を混ぜて技を出すことも可能。そうすることで、水の呼吸よりも攻撃力が上がり、炭治郎自身もバテずに長く戦えるようになった。
型と読み方
・ヒノカミ神楽 円舞(円舞)
・ヒノカミ神楽 碧羅の天(へきらのてん)
・ヒノカミ神楽 幻日虹(げんにちこう)
・ヒノカミ神楽 灼骨炎陽(しゃっこつえんよう)
・ヒノカミ神楽 陽火突(ようかとつ)
・ヒノカミ神楽 日暈の龍 頭舞い(にちうんのりゅう かぶりまい)
・ヒノカミ神楽 円舞一閃(えんぶいっせん)
まとめ
自分にあったスタイルに呼吸を変えてきたため、様々な呼吸が存在するが、やはり基本となる五つの呼吸を使う人物が強いような印象を受ける。
なにより気になるのは日の呼吸ですね。基本となる五つの呼吸よりも、さらに強い日の呼吸はいったい何なのか?炭治郎のヒノカミ神楽との関係は?
物語も最終章へと突入したので、この謎が解明されるまで待ち遠しいですね!