この名言をご存知でしょうか?
鬼滅の刃の主人公・竈門炭治郎が発した言葉(アニメ12話/コミックス3巻24話)です。
この言葉をきっかけに、ネットでは「さすが長男」、「長男だからできた」と言われるようになりましたね。
こういったユニークな言葉遣いも、鬼滅の刃の見どころの1つです!
この言葉がネットスラングにまでなったのは、炭治郎の優しい性格や言動が大きく関係しています。
この記事では、炭治郎の性格や背景、友人との人間関係から、この名言を紐解いていこうと思います。
炭治郎の長男力/家族構成
親は母親のみで、父親は過去に病でなくなっています。
妹が2人、弟が3人もいる6人兄弟の一番上が炭治郎。
家計は炭焼きを支柱にどうにかやりくりしていて、すでに竈門家は炭治郎に頼った生活をしているよう。
貧しいながらも幸せに暮らしていたところ、炭治郎が留守にしている間に、鬼舞辻無惨によって家族が殺されます。
13歳という若さで、すでに一家の大黒柱として育った炭治郎は、より長男としての責任を感じていたのでしょう。
また、炭治郎たちが生きている時代は大正時代ということもあって、長子存続がまだ根付いているという背景もあります。
長男が家を継ぐのが当然という時代背景と、早くに父親をなくしたという状況。
きっと炭治郎は、悲しみに浸ることも出来ないまま、みんなを支えるために頑張ってきたに違いないですね。
炭治郎の長男力/暖かい優しさ
炭治郎はどこまでも優しく、純粋で真面目な性格です。
生まれつきそういう性格なのでしょう、第一話で山を降り、街に行ったときも街の人々にとても好かれていました。
兄弟からも、亡き父親のように尊敬されています。
そして、その性格は鬼殺隊になってからも変わりません。
炭治郎は鬼に対してすら同情を抱いてしまう。
「鬼は人間だったんだから。俺と同じ人間だったんだから。」
(アニメ20話/コミックス5巻43話より引用)
鬼は悲しい生き物だと説く炭治郎は、どこまでも優しい。
消滅する寸前、炭治郎の手に触れた鬼ですら、「陽の光のような優しい手」と感じるほどです。
5人の妹・弟をもつ長男として自分を後回しにして生きてきた、その環境にはぐくまれた炭治郎の優しさ。
それが作中のいろんな場面で垣間見えます。
もし私が炭治郎の立場なら同じように思えるか、はっきり言って自信はありません。
自分の大切な家族を殺した、妹を鬼にした。ましてや、平和に暮らす人間の幸せをいきなり奪っていく存在。
自分に鬼を倒す力があろうと、僕は怖いですね。その怖さ故に、同情してあげることはできそうにありません。
ちなみに、生真面目過ぎる性格のせいで、炭治郎は嘘をつこうとすると変顔になります。(詳しくはコミックス9巻参照)
その変顔は見た人が凍りつくほどのブサイク顔。
こういった部分も、愛着が湧いて読者にも好かれる一面なのでしょうね。
炭治郎の長男力/我妻善逸と嘴平伊之助との関係性
伊之助は「猪突猛進」が口癖の粗暴な性格で、善逸は臆病者のヘタレです。
3人の関係性は、ざっくり説明すると長男が炭治郎、次男が手のかかる伊之助、三男が泣き虫の善逸、という感じ。
ネット上では、この3人のことを”かまぼこ隊”と呼んでいます。
善逸も伊之助も根は優しい人間なのですが、どちらも問題児なのには変わりありません。
そんな2人をまとめ、引っ張っているのが炭治郎です。
伊之助に対しては、やりすぎな言動にたまに注意をもしますが、基本的にそれを彼の良さとして受け入れています。
善逸はすぐに弱音を吐きますが、兄が弟を見捨てないように、彼を励ましてあげています。
また、伊之助と善逸はよく言い合いをします。その状況を笑って見ていたりするところも、長男って感じがしますよね。
炭治郎の長男力/名言に対する世間の反応
このセリフについて、世間では「言葉選びが独特」と称賛されています。
「頑張れ炭治郎頑張れ!!」と自分を鼓舞したセリフも有名ですね。
こういったセリフが称賛されるのは、誰よりも優しい炭治郎の性格があってこそでしょう。
「これほど魅力的なキャラクターはいない」と絶賛する人さえいますから。
最近は、すぐに力を手に入れて活躍する主人公が多いだけに、努力して成長する炭治郎は私も大好きになりました。
「長男だから我慢できた」という言葉の意味
父親が亡くなってから、炭治郎は竈門家をずっと支えてきました。
山奥に住む炭治郎たちには、生きていくだけで大変なことが多いでしょう。
野生の熊も出る、冬は雪が冷たい、家計は厳しい。
そういったものを全て炭治郎は背負ってきました。
その炭治郎の心境が表れているシーンは、コミックス92話の遊郭編です。
傷ついた炭治郎が過去の禰豆子とのやりとりから…。
「みんなごめん…禰豆子……」
(コミックス11巻 第92話より引用)
そうつぶやく炭治郎に、
「どうしていつも謝るの?」
「大切なのは”今”なんだよ」(コミックス11巻 第92話より引用)
と涙を流して訴える禰豆子。きっと炭治郎にとって、長男として頑張ってきた過去は心の原動力なのかもしれないですね。
疲れていても辛くても、家族のために頑張った。
幸せにしてあげられなかったけど、ずっとずっと努力はしてきた。
そんな自分なら、これからも頑張れる!なにより死んでいった家族のためにも、弱音を吐くわけにはいかない。
過去にできなかった分を、今で取り返す。その想いで刀を振るっているのでしょう。
決して次男を下に見ているわけではない。
長男としてのプライドが、炭治郎の強さの源だということですね。
まとめ
炭治郎にとって”長男”とは、これまでの努力と苦悩、そしてこれからの自分の在り方を表した言葉。
例え辛いことが多かったとしても、家族を支え、頑張ってきた。
その生命が失われても、妹のため、見知らぬ人々のために鬼滅の刃を振るう炭治郎。
彼がその心で何を成し遂げていくのか、楽しみでしょうがないですね。